「小4(9歳)の壁」って?成長過程において見られる課題について
みなさん、こんにちは。臨床心理士のさとうです。
前回のブログでは新年度だからこそ知っていただきたい「小1プロブレム」についてお話させていただきました。
前回のブログを読んでいない方はぜひこちらよりご覧ください。
実は、この小1プロブレムの他に、6年間の小学校生活を送る上で気をつけたいもう一つの課題があります。
それは・・・「小4(9歳)の壁」です
あまり聞き慣れない言葉かもしれません。本日はこの「小4の壁」についてお話していきたいと思います。
小4(9歳)の壁とは?
小学校4年生は発達的にも自我が芽生え始める時期です。また自立の面でも低学年の時とは異なり、親御さんと過ごす時間よりも友達を優先することが増えてくる時期となってきます。
子ども同士も仲間意識が強くなっていくため、仲間の影響を受けることも増えていきます。
親子関係も変化していくため、これまでとは違う反発が見られたりと難しいと感じる時期となっていきます。
さらに、小学校4年ごろになってくると学校の勉強も難しくなってきます。
3年生4年生は、一学年で覚える漢字がそれぞれ200文字と大量。画数も増えてきて、苦手意識を持つ子も出てきます。
また算数ですと、小数点や分数が出てきたり、理科などでは電気などの見えない「抽象的なもの」まで理解をしていく必要がございます。
勉強面でも難易度が上がるためついていけなさを感じてしまう子どもは非常に多いのです。
運動面においても、得意不得意の差が目立ち始めるのもこの時期です。
こういったつまずきや失敗を原因として、子どもがコンプレックスをもつこと。
それが「小4の壁」と呼ばれる問題です。
小4(9歳)の壁にぶつかった子どもはどうなるのか?
・劣等感を抱く
・感情のコントロールができない
・周りを見すぎてしまう
・反抗的になる
などの反応が見られるようになります。
これらの反応が不完全燃焼のまま溜まっていくと「不登校」の問題に発展していき長期化してしまう可能性がございます。
小4(9歳)の壁はどのように乗り越えればよいのか?
①子どもの短所ばかり連ねて叱るのではなく、長所も伝えること
小4の壁にぶつかった子は学校で劣等感を抱いていることが多いため、常に比較されること、評価されることに不安を感じている子どもが多いです。
お家の中でもまだまだ不十分なところはあるとは思いますが、現時点で子どもができている部分を認めることが非常に重要です。
ありのままの自分を受け入れてもらうためには、短所を否定するよりも、長所を伸ばすことや、短所と向き合っていくことも大切ですよね。
②同じ目線で話を聞く
子どもが不安に思うことや出来ないことは、その子により異なります。
「自分が同じくらいの年のときはどんな気持ちだっただろうか」
「自分の子どもはどんな気持ちを抱いていて、どんなことを親に理解してほしいと思っているのか」
「反抗することの目的や意図はなんなのだろうか」
などを考えながら子どもの話をぜひ聞いてください。小4の壁にぶつかっている子どもは反発心もあるためなかなか素直になれなかったり、親御さんとしても何を考えているかわからない部分は多いと思いますが、「理解できない」という壁をお互いに作ってしまわないよう、同じ目線で話を聞いてみてくださいね。
③親御さんも一緒に考える
勉強がついていけない子どもを見たときについつい「もっとちゃんと勉強しなさい」「勉強についていけなくなるわよ」「遅れたままでいいの!?」などの声掛けをしてしまいかねません。
こういった声掛けをすることによって子どもの中では焦りにつながり不安も膨らんでいきかねません。
子どもがわからない、理解ができないと感じている問題については、まずは理解できないという不安や焦りを抱えている気持ちを受け止めたうえで、わからない問題を一緒に考えたり、理解できるまで説明をしてみてくださいね。
いかがでしたでしょうか。
以上の3つを意識していくことが子どものサポートにもつながっていきますのでぜひお試しください^^
※ただ、小4の壁は必ずしも全員に当てはまるわけではないですし、中には発達障がいによってつまずきを抱えている場合もございますので捉え方にはご注意ください
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