「小1プロブレム」って?新年度だから知っておきたいこと

みなさん、こんにちは。臨床心理士のさとうです。


新学期がいよいよ始まりましたね。

新しく環境がガラリと変わり、ストレスを受けやすいのがこの4月です。

ですが、4月は「がんばっていこう!」と言う思いが強いため、疲れが顕在化しやすいのは5月くらいと言われています。


みなさんもどうか「新年度だから」「新学期だから」「4月だから」と意気込みすぎないようセーブをかけてお過ごしくださいね。


さて、今回は子どもの発達段階の視点から不登校を紐解いていきたいと思います。

このブログをご覧になっているみなさまは、このような言葉を聞いたことはありますでしょうか。


「小1プロブレム」


「小4(9歳)の壁」

「中1ギャップ」


初めて聞かれた方もいらっしゃるかもしれません。


小1プロブレムと小4の壁、中1ギャップについてとそれらの不登校の関係性について今後3回にわたってお話できればと思います。


新年度からの学校生活への準備にもぜひ役立てていただければと思います。


本日は、まず小1プロブレムについてお話していこうと思います。



小1プロブレムって?


小1プロブレムとは、

「幼稚園・保育園から小学校に入学した子どもたちが、集団生活になじめず、授業中に歩き回ったり、友達と歩き回ったりして授業が成立しないなど、1年生の子どもに見られる特有の状況」

のことを指します。


のびのびとした幼稚園・保育園から、決まりごとの多い小学校へと学習環境が急激に変化し、子どもが戸惑うことが原因とされております。


ここで適応が難しく、失敗体験を積んだ子どもはだんだんと学校へ行くモチベーションが下がり、学校への行き渋りが見られるようになります。

この小1プロブレムに直面してしまい実際に学校へ行けなくなった子も今まで見てきました。


そういった子どもたちと話をしていると、次のようなことが見えてきます。


・先生に怒られないために学校へ行かない
・家のほうが自由な自分でいられるから学校には行かない
・授業中大人しくしておくことに耐えられないから学校へ行かない
・規則やルールを理解できない、もしくは守ることができない(もしくは苦痛である)ため学校へ行かない

などです。


誰しもが直面しうる小1プロブレムですが、だからといって学校へ行かなくてよいという理由にはなりませんよね。


では小1プロブレムを乗り越えるために今からできることとは?


この小1プロブレムを乗り越えるためには見つけておきたい4つのことがございます。それは・・・


・生活リズムをきちんとつける
・着替えや片づけを自分でする癖をつける
・時間を決めて行動をする
・同年代の子となるべく接しコミュニケーション能力を育む

ことです。


1つ目『生活リズムをきちんとつける』

小学校に上がると朝の登校は「分団」で登校をしなくてはならない学校が多いです。

最近はゲームなどにハマる子どもも多く、夜遅くまで起きてしまい朝起きることができず分団に間に合わないというところから不登校が始まっていくケースも珍しくありません。


生活リズムを保育園・幼稚園の間からきっちりとつけておくことで学校への順応も早くなりますね。



2つ目『着替えや片づけを自分でする癖をつける』

小学校にあがると集団で動くことが多いため、着替えや片づけがなかなかできない場合、周囲との遅れが生じ孤独感を抱いてしまい学校へ行きたくないと言い出す子もいます。

先生も集団を見なくてはならないので手を貸すことも難しくなってきます。

なるべく自分のことは自分でできるようになれば余裕をもって学校生活を送ることができますね。



3つ目『時間を決めて行動すること』

やはり小学校は保育園・幼稚園と違い、時間割という概念が発生いたします。半日のスケジュールが決められておりその通りに行動をしなくてはなりません。また急に予定が変更することもあります。

そのため、お家の中でスケジュールを決めて行動をする練習をしたり、予定変更に対してどのような対応をとることができるのかを考える練習をしておくと戸惑うことやパニックになることも防げますね。

4つ目『同年代の子となるべく接しコミュニケーション能力を育む』

小学校はやはり保育園や幼稚園よりも人数が多く、またいろいろなお友達もたくさんできます。これまで固定されてきた人間関係の中から自由度のある人間関係に変化します。

もし対人関係に対する耐性がない場合は、これまでかかわったことのないお友達や、自分と合わないタイプのお友達に直面すると不安感や嫌悪感を抱いてしまい、結果的に「〇〇ちゃんに会いたくないから学校へ行きたくない」と言いかねないのです。


今のうちに対人関係への耐性を作っておくとより子どもも安心ですよね。


最後に・・・

学校へ行き渋りを見せている子どもが必ずしも小1プロブレムがきっかけとなっているというわけではございません。


上記のことを今からお家の中でしていただいて対策をしていただいても学校へ行きたくないと言い出す子どもももちろんいらっしゃいます。


もし、学校へ行かない子どもに対して

どうしたらいいの?

どう対応すればよいの?


とお困りの方はぜひ一度、カウンセリングにいらしてくださいね。

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