お子さんに「行動を起こしてほしい!」と願う親御さん必見!行動を起こすための周囲の働きかけとは?
みなさん、こんにちは。臨床心理士のさとうです。
だんだん暖かくなってきましたね。
花粉も少し落ち着いてきたので私としてはこのまま花粉も飛ばないようになってほしいと切なる思いです。
さて、今回のブログでは、「行動」を起こすために周囲ができることについてお話していきたいと思います。
学校へ行かなくなったお子さんの日常生活を見ていると・・・
・勉強をしてほしい
・部屋の片付けをしてほしい
・少しでもいいから家事を手伝ってほしい
・外の空気を吸ってほしい
・日光を浴びてほしい
・運動をしてほしい
・朝を時間通りに起きてほしい
・夜更かしせずに寝てほしい
・三食きっちりと食べてほしい
・読書の時間を作ってほしい
・10分だけでも会話をしてほしい
・なにか趣味を見つけてくれて少しでも自信をもってくれたらよいのに
などもどかしい気持ちやモヤモヤされた気持ちになったことございませんか?
カウンセリングに来るほとんどの親御さんがこういったご相談をされます。
「もっと〇〇してほしい」という気持ち
この気持ちが決して悪いわけではございません。
もっと〇〇してほしい気持ちが相手にとって期待されている、信じてもらえていると感じたときにはもちろん強みにもなりますし、一歩踏み出すきっかけになることもございます。
過去にできていた行動が現在できていないとなると、本当はもっと〇〇ができるのになぜできないのか・・・と思われますよね。
ただ、現在のお子さんの状況によっては、過去にできていた行動を起こすほどのエネルギーがないと捉えることもできます。
私もかつて学校へ行きたくない気持ちになったときに
食事をまともにとることもできない
外出しようとも思えない
布団から立ち上がることができない
部屋の掃除をする気力が沸かない
誰かと話そうとも思えない
こういった状況になったことがございます。
今まで普通にできていたことができない。
ましてや、そういった状態の中でプラスアルファの行動を起こそう、何かを新しいことを始めようという気力なんて持つことができなかったということが正直なところでした。
そして、行動を起こしたとしてもうまくいかなかったらどうしよう、と想像すると怖くて行動を起こすことにためらう気持ちもございました。
もしかすると、お子さんもそういった心境、状況なのかもしれません。
これらは心のことなので、一見元気そうに振る舞っていたら「え。もっと◯◯できるのでは?」と周囲には判断されていたと思いますし、期待もされていたかもしれません。
ゲームをする元気があるのなら、友人と電話する気力があるのなら、せめて・・・
親御さんも非常に苦しい思いをされていると思います。
では、ただ待っているだけでよいのか?様子を見るだけで行動は改善するのか?
いいえ。違います。
ぜひ本日より親御さんに大切にしていただきたい視点がございます。それは・・・
今現在維持し続けている行動はなにか?ということです。
現状維持し続けている行動・・・?
ゲームばかりしていること?
朝起きないこと?
夜寝ることが遅いこと?
部屋から出てこないこと?
など思われたかもしれません。
そうではございません。
現状維持し続けている行動とは・・
例えば
・毎日歯磨きをする
・起きてから着替えるまでは早い
・お風呂の時間はきっちり守る
・リビングで過ごす時間が長く、家族とも交流がある
・おはようやおやすみなどの挨拶は毎日欠かさずしている
・洗濯物は自分のものだけは自分で畳む
・表情はいつも明るい
・昼ごはんだけは自分で作っている
・家族とはあまり話さないが、友人とは毎日ゲームを通して交流している
などです。
これらを読んだだけでは「え?当たり前のことなんじゃないの?」と思われたかもしれません。むしろ前まではもっとアクティブに動いていたから「できていない」行動なのでは?と思われるかもしれません。
しかし、この当たり前のことを継続することって実はとても大切なことなんです。
当たり前のことを継続する力の重要性
私たちの中でも毎日のルーティーンがあると思います。そういったルーティーンは自然と、意識せずにできますよね。
あまりエネルギーは使っていないと思います。
学校へ行かず、家にいる子どもにとってもそういった自分なりのルーティーンは必ずあります。
その行動は意識していないものが多いと思うのですが、こちらがあえて意識をしたり、当たり前の行動に声掛けをすることは非常に大切になってきます。
なぜかと言いますと、普段当たり前にしていることに対して、親御さんから「ありがとう」や「毎日続けているね」などの声掛けを行い、あえてこちらから意図的に目を向け行動を意識化させることで、エネルギーをあまりかけなくてもできる行動が徐々に増えていくからです。
みなさんも、普段意識していない行動でも誰かに「感謝」されると「もっと頑張ってみよう」というお気持ちになると思います。
全く同じことを家庭でもすることができます。
カウンセリングにお越しになられている親御さんに、実際何気ないお子さんの行動に「ありがとうね」「助かったわ」「お母さん嬉しいな」と声をかけ続けていただきました。
そうすると・・・
「みてみて、◯◯ができるようになったんだ」「次は△△してみようと思う」「自分のいいところは◇◇なところだと思う」とポジティブな言葉がだんだん出るようになり、さらに「行動」も伴っていくようになりました。
最終的にはお子さんも「学校」へ挑戦をしてみようという思いが出てきたので、小さなステップから学校にチャレンジしてもらいました。
その結果「復学」ができたのです。
いかがでしたでしょうか。
「当たり前」を肯定することは「モチベーション」のアップにつながります。
行動してほしいけどなかなか行動まではいかない・・・
毎日もどかしい気持ちを感じている、という方はぜひ試してみてくださいね。
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