怒りのコントロールの仕方について

みなさん、こんにちは。臨床心理士のさとうです。


さっそくですが先日私が銀行に行ったときのお話をしたいと思います。


なぜか銀行がとても混んでいた時の話

その日はなぜか銀行がとても混んでいました。

よく見ると、ATMを使っているのはおそらく近くの学校に通う留学生でした。その留学生は、送金をしようとしていたのですが、送金の方法が分からず、とても時間がかかってしまい、後ろがどんどん詰まってしまっていたのです。


私の前に並ぶ中年の男性の方はかなりイライラしており、舌打ちをし、留学生に対して


「後ろがこんなに並んでいるんだ!やり方がわからないなら一旦(手続きを)取り消せ!」


と文句を言っていました。



留学生はオロオロとし、手続きが終わっていませんでしたが、ATM操作を諦め、銀行を出て行ってしまいました。


このブログを読んでいる方にも、もしかしたら同じような場面を見た、もしくは経験された方がいらっしゃるかもしれません。


みなさんはこの状況についてどのように感じられましたか?


・中年の男性の気持ちがとてもよくわかる

・そこまで大きな声を出さなくても

・人前で誰かを責めるなんて信じられない

・もう少し待てなかったのか

・銀行員は何をしているんだ

・留学生の子かわいそうだな


などなど人によって感じることは様々だと思います


ではなぜこの中年の男性がこんなにも苛立っていたのか、私はその要因を考えてみました。


・急ぎの用事があり、かなり焦っていた 【時間の余裕のなさ】

・プライベートで嫌なことがあってその感情を引きずっていた 【感情の引きずり】

・自分ならもっとスムーズに、そして効率よく手続きができるのに。なぜできないのだ、という考え方をもっていた 【自分基準での一般化】

・もたもたするなら順番を先に他人に譲るべきだという考えを持っていた【価値観の偏り】

・その場でストレスを発散する方法がなくさらに感情が高ぶった【ストレスへの耐性の低さ】


など、ほかにも色々考えられますよね。



私はとても短気なので、普段ならその中年の男性と同様に「待たされること」や「時間の無駄」に対して絶対にイラっとしたと思います。


しかし、そのときの私は「イラ」っとしないように自分なりに工夫しました。


「イラ」っとしないように自分なりにした工夫とは?

私は自分がイラッとしないように以下の3つのことを意識してみました。


・行動の背景(目的)を考えること

・怒りよりもほかの感情を大きくしたこと

・時間に余裕を持ち、現状を受け入れ楽しもうと考え方を変えたこと


この3つです。


では詳しく説明させていただきますね。


まず1つ目の「行動の背景(目的)を考える」について


以前私は、テレビで留学生が日本の学校へ行きながらアルバイトをし、母国の家族のために仕送りをしているという特集を見ていました。今回の留学生も、送金をしようとしていたので、もしかしたら家族のために送金しようとしていたのかもしれません。そう思うと、「家族思いだなぁ・・・」と心が温かい気持ちになり、怒りが沸きませんでした。



2つ目の「怒りよりもほかの感情を大きくしたこと」について


ATMの使い方がわからない留学生を見て「大丈夫かなぁ」「慣れない土地で不安だよね」と心配する気持ちを強くし、「怒り」の感情にまで至らないようにしました。


3つ目の「時間に余裕を持ち、現状を受け入れ楽しもうと考え方を変えたこと」について


普段から私はなにかと気持ちがせかせかしているので、たまにはゆっくりこの時間を楽しもうと、思いを割り切り、心に余裕を持たせることができたため、怒りが沸かなかったのです。



この3つはどれも、自分の「考え方」や「認知」をコントロールしています。


「考え方」や「認知」をコントロールすると、「怒り」は生まれることがなく、気持ちよく待つことができました。


「考え方」や「認知」を変えることによって「怒り」はコントロールできるというように言われています。


しかし、日常で過ごす中ではなかなか意識して「怒り」の感情をコントロールすることができず


・ついついきつく子どもに当たってしまう

・カッとなって怒鳴ってしまう


なんてこと、ありますよね。

そこには、親御さんがわが子を思うゆえの、焦りや不安感、心配、期待感、不満、悲しみ等、様々な感情が複雑に入り混じっているかと思います。


不登校支援にとって、親御さんは欠かせない存在です。


親御さんが今抱いている感情や考えを1つ1つ整理し、「怒り」をコントロールしていくことで、親御さん自身の心が大きく揺れることなく、安心して子どもをサポートできるようになると思います。


親御さん自身がセルフケアをするためにも一度初回面談に来てみてはいかがでしょうか。

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